25年前の布絵本
息子の 2歳の誕生日に
作った 布絵本
誕生日に 渡すと
とても 喜んで
小さい手で いっぱい 遊んでくれました
お気に入りで いつも 私の所に持ってきて
見て 見て と
やってみせるのです
難産で 3日ぶりに ようやく
帝王切開で産まれた 息子は 仮死状態
私も なかなか 意識が戻らず
家族どころか 医師も 慌てたらしい
出産前から 不安だった私は
母が産んだ病院を 選びました
母も 超難産で 生死をさまよいました
あまりに 難産だったため 院長先生は
24年前のことを 覚えていたほど
そんな 息子は 2歳になっても
ことばが 出ず ようやく発した少ない単語も
ことばの母音しか 話せませんでした
出産時の仮死状態のせいかもと
肢体リハビリセンターの 言語訓練士さん
数ヶ月 通って ようやく話せるようになってからは
堰を切ったように おしゃべりになりました
その間 たくさんの子どもたちと家でパンをこねたり
団地の公園で 走ったり プール遊びをしたり
絵本を 毎晩10冊 読んだり
音楽を 聴かせたり 海水浴 潮干狩り 虫捕り
すこしでも 手先を動かしたりできるよう
布絵本を 作って 語りかけました
福笑いみたいに 顔のパーツが 自在です
風船が 大好きだったので 同じ色を 合わせる遊び
慣れてくると わざと 違う色にしたりしていました
数字に興味があったので かなり お気に入りでした
そのうち 3と2 で 5など 独り言を言って
遊ぶようになりました
時計も 大好きで おはよう時間 お休み時間
おやつの時間 など くるくる回していました
ボタン掛けは すぐ 飽きてしまいました
蝶結びや 三つ編みも 2歳児には 無理ですが
どうせ 作るなら と 思って作りました
いつ頃 できるようになったのか 覚えていませんが
ずっと おもちゃボックスにあったので
少し 大きくなってから だと思います
いつの間にか できるようになっていました
大きくなって 今度は 姪や甥が 遊び
そして うちに 戻ってきました
今でも この布絵本を広げると
あの頃が 鮮明に 蘇ります
そして 若かった 私
一生懸命だった私に
伝えたいなと 思うのです
もっと 肩の力を抜いて
心配いらないよ と