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私を救ってくれた本

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私は 仕事に忙殺されていた

昨年の4月のある朝

左眼の視野が まるで

暗幕が 垂れたかのように 真っ黒で

突然のことでした

 

その頃は 自宅の階段も上れないほどの

疲労感と 常に 関節痛 肩こり 頭痛

特に 首筋が 突っ張ったような張り

 

責任もあり 重圧と 

ストレスも あったのかもしれない

吐気とめまいも 頻繁で

出張先のビジネスホテルで 入浴中倒れた時は

のぼせたんだろう

生理は 毎月 順調だったけど

きっと 私は 更年期障害

思っていました

 

健康診断でも 血液検査は 常に異常なし

内科に行っても 異常なし

整形外科でも 異常なし

仕事しながら 更年期も 過ぎていく

そんなふうに 思っていました

 

 

 

入院治療中は めまいが激しく

まともに 歩けず

 

左目は視力検査の光も 全くわからない

あっという間に 視力は落ち

薄暗く 煙ったまま ぼんやりとして

自分の顔も 見えなくて

ただ ベッドで 天井を見つめていました

 

 

大学病院で 

視神経が 萎縮しています

残念ですが 今の医療では

回復は 無理でしょう

 

回復する って そう言ったのに

ずっと ずっと 

信じていたのに

 

紹介先の神経内科では

難病の疑いがあります

すぐ 血液検査と 髄液を採りましょう

 

その間

眼の奥の痛みや 眼球の痛み

めまい ふらつき 吐気 頭痛も

ずっと 付き合ってきました

 

良くなったり 悪くなったり

繰り返す中で 足の違和感や けいれんも

 

 

当たり前に 見えていた眼が

力尽きようとしていることを

受け入れなくて

毎日 両目から 溢れるものを

抑えることは できませんでした

 

いつの間にか 秋が来て

景色が 変わって

時間だけが 過ぎていくようで

ただ ただ 虚しかった

 

あんなに 好きだった

私を イキイキとさせてくれた仕事が

もう できないかもしれない

 

鏡で ふと見た 私の左眼

まるで 人形のように 冷たくて

号泣してしまった夜

 

これくらいのことで

そう わかっています

愚かだってことも

脆弱な あまりにも 

あまりにも 弱い 私がいる

 

 

そんな時

職場の会長から

1冊の本と 手紙が 届きました

 

人生には 様々な試練が訪れます

雨の日 風の日あり 必ず晴天の時が参ります

良きイメージを持って 歩んで下さい

回復しないことは 絶対ではないと思います

1冊の本を ご笑納下さい

 

シスター 鈴木 秀子さんの本は

涙が 止まりませんでした

私を 救ってくれた 大切な本です

 

まわりを ご覧なさい

あなたは ひとりでは ありません

たくさんの ひとに 助けられています

 

泣いていては いけない

そうではない

受け入れ 乗り越え 切り開き

そうして 生かしていく

強く 強く

強く

 

私は 今 できることを

一生懸命 するだけです

 

もう 泣かないと 決めた

私を 救ってくれた本です